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2018年8月29日水曜日

LOST TV : The Fish by Lost Surfboards

LOST TV : The Fish by Lost Surfboards from Luvsurf TV on Vimeo.

テキスト by Juinji Uchuda
SURF CLUB
http://surfclub.jp

モダンフィッシュの牽引者の1人、メイヘムによるショートムービー『フィッシュ』
  
CTのトップサーファーたちが乗る最先端のボードを削るシェイパー、メイヘムことマット・バイオロス。モダンフィッシュの先駆けとしても有名ですね。1997年にリリースされた『5’5” ✕ 19 1/4”』は、コンペタイプのトライフィンばかりのボードシーンを変える引き金になったムービーの1つでした。あれから20年ちょいの時を経て、フィッシュの歴史を振り返るショートムービー、その名もズバリ『FISH』が公開。
クリス・ワードにコリー・ロペス、アーロン“ゴーキン”コーミカン、アンディ・アイアンズ・・・。ロストワールドが好きな人にはたまりませんね。オリジナルがVHSだけにレイドバック感もいいし、BGMもナイス。ナレーターがCRステシックⅢというのもさすがだし、いいこと言ってます。
ツインフィンは決して流行遅れにならない。再び解釈され直して、また戻ってくる。
–CRステシックⅢ
 
メイヘムがフィッシュをつくりはじめたのは1994年。ライダーのクリス・ワードが、ハワイでトム・カレンがフィッシュに乗ってるのに触発されて「オレにもつくって!」と頼んだのがきっかけだとか。カレンがトム・ピーターソンのファイアーボール・フィッシュや、スキップ・フライのサンディエゴ・フィッシュに乗り、“変わり者”扱いされてたすぐあとの頃ですね。

メイヘムはフィッシュなど削ったこともなく、どんなものかと地元サンクレメンテのサーフショップをリサーチ。壁にかかってた70年代後期~80年代初期の、MRっぽいツインフィンにインスパイアされながらも、オリジナルのフィッシュを編み出しました。それがメイヘムの代表作の1つ、〈ラウンドノーズフィッシュ〉の原型。ノーズがいまほど丸くない初期モデルの短い板で、クリス・ワードやコリー・ロペスたちが攻めまくる『5’5” ✕ 19 1/4”』はカレンが自らボードをシェイプするなど、テイラー・スティールのコンペタイプの作品とは一線を画す、創造性に富んでました。

メイヘムがモダンフィッシュをつくったあと、レトロフィッシュのブームに。しかし、メイヘムはレトロフィッシュは一切つくらず・・・。そのことについて、以前インタビューしたときにこう言ってました。
前進することに集中したいし、敬愛するシェイパーの著作権物をコピーすることはしたくない。
スティーブ・リズやスキップ・フライのフィッシュをみんながみんなコピーして、ポピュラーになったよね。オリジナルのシェイパーに許諾を得ることもなく。酷い話だよね。
僕はマーク・リチャーズに電話したんだ。「ヘイ、マーク! マット・バイオロスだよ。僕もそうだし、みんなマークのボードが大好きなんだ。1980年のワールドチャンピオンのツインフィンを、もう一度作ってみてはどうかな?」。
するとマークが答えた。「マット、僕はもう25年も当時のボードなんて作ってないんだよ」。
で、僕はこう言った。「僕らも手伝うよ。売ることのヘルプもするからさ」。
その後、マークは僕の家に来て50本のツインフィンを作った。家族と一緒にスノーボードに行ったりしながらね。
–マット“メイヘム”バイオロス
 
このムービーが、トム・ブレークやボブ・シモンズ、スティーブ・リズといったツインフィン – フィッシュのルーツからはじまるのは、ライダーたちに前進するフィッシュを提供できてることへのリスペクトかも知れません。ぼくたちもテイクオフが圧倒的に早く、乗ってからもグングン走るボードを発明してくれたシェイパーたちに感謝しなければ、ですね。
 
【登場サーファー】
• デビッド・ヌイーバ
• ジム・ブレアー
• コリー・ロペス
• クリス・ワード
• アンディ・アイアンズ
• メイソン・ホー
• アーロン・コーミカン
• ジョシュ・カー
• ルーク・デイビス
• イアン・クレイン

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